硬質アルマイト表面処理加工
ハードコートとは アルマイト加工例

ハードコート皮膜の構造

アルミニウムを大気中に暴露すると表面に薄い酸化皮膜が出来ます。この皮膜は、アルミニウムの表面 を腐食から保護する役目があります。 この皮膜を人工的に厚く生成させたものが「ハードコートの皮膜」すなわち陽極酸化皮膜です。 方法は、図1に示すように電解液中にアルミニウム製品(図ではピストン)を浸せきし陽極にして電解(電気分解)します。 めっきや塗装のように表面に物質を析出させたり、塗ったりした被膜ではありません。

図1  ハードコート皮膜を製造するための電解装置

皮膜には図2のように多くの微細孔があります。

図2  ハードコート皮膜の構造

ハードコート法の超硬質皮膜は、上記の陽極酸化皮膜と同じですが超高速電解のため皮膜表面 の化学溶解が極めて少なく、すべすべしていることが特長です。なお「アルマイト」という呼称は、宮田 聰がアルミニウム陽極酸化皮膜につけた愛称です。
ハードコート法による超硬質皮膜は原則的に皮膜厚さの約50%が内部に浸透し、50%は外部に成長します。 従って外側は、原寸法より皮膜厚さの半分だけ膨張し、内側は半分だけ浸透します(図3)。 このために本法による超硬質皮膜処理をする時は、皮膜厚さの影響を十分に事前の機械加工で考慮しなければなりません。

図3  ハードコート皮膜の寸法変化

  ハードコートとはアルマイトの名称の起源トップページへ